理念
・医学的根拠にもとづき、患者さんのナラティブ(物語性・価値観)を尊重します。
・回復が困難な状態に陥っても、共感しながら傾聴し、現状を肯定できるよう寄り添います。
・患者さんの身体機能低下や病状を共有し、寄り添っていきます。
・予防医学的な取り組みをおこないます。
・スタッフ全員がこころの垣根を低くした上で、真摯に対応します。
室長あいさつ
当院のリハビリテーションスタッフは、運動力学の指導経験がある理学療法士、心のケアを真摯に行い患者さんの意欲を支える作業療法士、摂食障害機能の向上や口腔ケアを支援する言語聴覚士、経穴刺激を通し成果を引き出す鍼灸師等、チームでのアプローチをもって患者さんへのサポートを行っております。
病気の回復過程や維持期において、運動機能の回復だけではなく、こころの問題も患者様にとっては大きな問題の一つです。身体が思うように動かない寝たきりの環境では、筋肉量の減少が懸念されますが、それだけでなく心もふさぎこんでしまう場合が多々あります。
前橋城南病院 では、可能な限り患者様を外にお連れし、自然と触れ合える環境で訓練を行います。自然を感じながら身体を動かすことで、患者様の身体的、精神的なアプローチをしていき、リフレッシュできる時間を提供していきます。
また、レクリエーション活動やイベントも感染対策をしながら積極的に行えるように環境を整え、天井を見つめる生活ではなく、生き生きとした入院生活を送れるようにサポートいたします。
スタッフとのコミュニケーションの中で患者様もおのずと笑顔を見せてくださいます。笑顔のちからはとても偉大で、患者様本来の自然治癒力(ホメオスタシス)を引き出し、我々が思いもよらないような奇跡を起こすこともあるのです。
リハビリテーションにおける必読書の一つにP.M.デービスの『ステップス・トゥ・フォロー』というものがあります。この序文に以下のような言葉があります。
「誠意のこもった献身は治療の成功率を40%も上げたことを示した」
私たちリハビリテーションチームは患者様の可能性を誰よりも信じ、献身的なリハビリを行っていきたいと考えております。
言語聴覚士あいさつ
前橋城南病院では特に摂食・嚥下障害の患者様に対して訓練や指導をしています。摂食・嚥下機能の低下による問題は、栄養状態の低下、脱水、呼吸状態の悪化、肺炎の危険性といった命に係わるものが多く見られます。
私達はできる限り患者様の口からご飯を食べていただきたいと思っています。食事は人間にとって大きな意味があります。唾液分泌を促し肺炎予防を行うこと、食べ物を飲み込んで消化器官を動かすこと、栄養素を身体に取り入れることで、全身の機能低下を防いでいきます。そのために、食事の形態や患者様の姿勢を整えたり、介助や自助具(スプーンや食器)の工夫をしたりと、試行錯誤を繰り返して患者様が食事を楽しんでいただけるように尽くしています。
また、食事には食べ物の味や食感を楽しむ、食卓という場でコミュニケーションを楽しむといった喜びもあります。
患者様のご要望に応じて、医師や看護師、栄養課と相談し、好きなものや行事食も楽しんで頂けるように工夫を凝らしてQOL(生活の質)の向上に取り組んでいきます。
言語聴覚士の仕事は患者様のコミュニケーションの援助にも関係しています。構音障害や発声障害はコミュニケーションに係わる問題です。口腔ケアやストレッチ、発声や嚥下の練習、スタッフとの会話の中で患者様に刺激を与え、機能回復や維持をしていきたいと考えています。